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近江八景
大津随一の名勝「近江八景」 成立は、明応9年(1500)8月13日に近江守護六角高頼の招待で、近江に滞在した公卿の近衛政家が近江八景の和歌八首を詠んだことが始まりだと言われている。この八景は、中国の宋や元の文化が室町時代に移入され、京都の禅宗寺院を中心に詩文や水墨画が流行していたときに、その題材になった「瀟湘八景(しょうしょうはっけい)」であった。中国湖南省にある瀟水と湘水の流れを集める洞庭湖の名勝のことで、中国では名高いところである。近江八景は、洞庭湖になぞられた琵琶湖の南部を中心に選定され、全国にある八景の中でも、観光のルーツと呼ばれるほど素晴らしい景色である。

近江八景の和歌八首


石山の秋月
「石山や鳰(にお)の海てる月かげは 
 明石も須磨もほかならぬ哉(かな)」
瀬田(勢多)の夕照
「露時雨もる山遠く過ぎきつつ   
    夕日のわたる勢多の長橋」
粟津の晴嵐
「雲はらふ嵐につれて百船も    
     千船も浪の粟津に寄する」
矢(八)橋の帰帆
「真帆ひきて八橋に帰る船は   
    今打出の浜をあとの追風」
三井の晩鐘
「思うその暁ちぎるはじめとぞ   
    まづきく三井の入あひの声」
唐崎の夜雨
「夜の雨に音をゆづりて夕風を   
    よそにそだてる唐崎の松」
堅田の落雁
「峯あまた越えて越路にまづ近き  
    堅田になびき落つる雁がね」
比良の暮雪
「雪ふるる比良の高嶺の夕暮れは 
花の盛りにすぐる春かな」



 

 
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